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午前中の授業が終わり、お昼休みになった。
琴葉と里穂は、毎日教室で机を合わせて食べている。
「琴葉のお弁当おいしそー」
「里穂のもおいしそうですね」
「わたしのは全体的に茶色いじゃん」
「琴葉のはバランス良くて綺麗だよね」
「清孝さんと一緒に作ってるんです」
「清孝さんって例のお父さん的存在?」
「はい、里穂は自分で作ってるんですか?」
「うん、お父さんのぶんと一緒にね、
だからこんなに茶色いの」
「なるほど…ねえ、おかず交換しません?」
「する!どれにしようかな…」
周りの男子たちが琴葉のおかずを食べる里穂を見て、羨ましそうにしているのを琴葉は知らない。
「んー、このだし巻き卵おいしい!」
「本当ですか、良かったです
そういえば、清流に私の味がするって言われたんですけど、どういう意味か分かりますか?」
「…ふ~ん、そんなこと言われたんだ
で、どうだった?嬉しかった?」
「はい(照)」
「ならいいじゃん、そのうち分かるよ」
「え、教えてくれないんですか」
恋する乙女のような表情をしている琴葉に、また周りの男子たちが目を奪われていることを本人は知らない。
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