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「うわ、すごい立派な感じ…
え、広ーい、中こんな広かったんだ!
うわー、大きい本殿だね、すごーい!」
里穂、すごいいいリアクションです。
それにあちこち走り回ってます。
「里穂、清孝さんに挨拶するんでしたよね」
「そうだった
いや、家と全然違うね、びっくりしちゃった」
ん?どういうことか話が見えません。
「あれ、お友達ですか?」
「清孝さん、こちらお友達の天川里穂さんです」
「こんにちは、天川里穂です」
「天川…ああ、大きくなりましたね
ようこそ、清流神社へ」
「どうも(照)」
え?どういうことですか?
「清孝さん、話についていけてないんですが!」
「ん?
里穂さんはこの町のもうひとつの神社の娘さんですよ
あなたのお爺様にはお世話になりました
そうですよね」
「はい、琴葉に話してなかったっけ」
「聞いてません、そうだったんですか」
この町には2つの神社がお互い向かい合うように建てられている。
向こうの神社には小さい頃1回行ったきりだった。
その時は清流に怒られて連れ戻された記憶があるんですけど、なぜでしたっけ…
「宮司だったおじいちゃんが亡くなって、お父さんはなぜか家を継がなくてさ、
家には宮司(ぐうじ)がいない状態なの
だから宮司(みやじ)さんに掛け持ちして頂いてるんだよね」
「そうなんですか、初耳ですよ」
「すみません、この話は色々と複雑なんですよ」
「わたしもよく聞かされてないんだけど、家で昔何があったんですか?」
「それより、そちらは今どうですか?
最近は忙しくて行けていなかったんです
変わりはないですか?」
今、それとなく話題変えましたよね。
「うーん、わたしもあまり寄ってないんでなんとも…
いつも通り暗くて閑散としてます
それに比べてここは綺麗ですね
空気が澄んでるというか」
「清流のおかげですね」
「そうですね」
やっぱり清流はすごいです。
「呼んだか?」
「清流、ただいま帰りました」
「おかえり」チュッ
「きゃあ」
「どうした?」
「あ、清流が…」
当の本人は素知らぬ顔をしている。
「へー、例の彼?」
「あ?例の彼とはなんだ」
「なんでもないです!」
やめてください、清流はこういう話をながしてくれないので…
「学校で俺の話をしているのか?」
「里穂とだけですよ」
「俺の悪口でも言ってるのか」
「違いますよ、清流に不満なんて無いですもん」
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