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「ただいまー」
「帰ったぞ」
「おかえりなさい」
「おかえりなさい、ご飯できてますよ」
琴葉のご飯!
それだけで気分が上がる。
別に何も食べなくても問題ないのだが、
あれは清孝の曾祖父さんか…に一緒に食べようと言われてから食事をする習慣がついた。
「おいしいですか?」
「ああ、美味いよ」
「よかったです」
かわいいな、本当。
無意識に琴葉の頭を撫でる。
「ん?どうかしました?」
「いいや」
ただ、こいつとずっと一緒にいたいと思った。
夜、今日は琴葉の布団で寝るか。
琴葉の寝室に行ってみると
「…何をしている」
「あ、えと、勉強です」
また本を大量に並べて、医学の勉強をしていた。
懲りてなかったか。
「あの、清孝さんが参拝者様のお悩み相談的なことをしているから、
私もお手伝いできることがあるかもと思って、
…すみません」
泣きそうになってる。
また怒られるとおもってんだろうな、
ああ、怒る気が失せた。
そんな涙目で可愛いこと言われたら怒るにも怒れんだろうが。
琴葉を抱きしめる。
すると、琴葉がもぞもぞ動いて、俺が怒っている顔をしてないか確認している。
「怒ってます?」
「ああ」
「…ふぇ」
あ、本格的に泣きそうだ。
「勘違いするな、怒ってるのは俺自身にだ」
琴葉は分からないという顔をしている。
涙止まったな。
「俺の力が不安定なせいで心配かけたな
だが大丈夫だ、この地は俺が守るし、お前も俺が守ってやる
いつもそうしてるだろ?」
コクン。 琴葉が涙目で頷く。
「もう泣くな、早く寝るぞ」
涙を拭ってやり布団に運ぶ。
琴葉が眠るまで背中を一定のリズムで叩いてやる。
なんかこいつが子供の頃を思い出すな。
なんて、本当この状態が40年続くとさすがにきついか。
年々力は衰えているようだし、やっぱ一人じゃ力のバランスがな。
そろそろあいつにカマかけてみるか。
色々考えていたが、琴葉の甘い香りに誘われて清流も眠りについた。
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