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僕の日常は、いつもある人の声で起こされて始まる。
(優樹、朝だぞー!起きろー)
うるさいなぁ、もう。
おかげでいつも目覚めが悪い。
この人のことは後々分かるとして、とりあえず起きよう。
ふぁ、いつもながらここは空気がいいな。
僕は琴葉お姉ちゃんや清孝パパと同じように霊感が強い。
なので、ここは邪気を自然に払ってくれるから居心地がいいのだ。
(優樹ー、お腹空いたー)
はいはい。
この人は、いや人じゃないけど、僕が生まれた時から一緒だった。
分かりやすく言うと、1人の身体に2人の魂が共存してる感じ?
分かりやすくないか。
でも、だからかな。
僕は普通の人より歩くことも、喋ることも、何もかもが早かった。
だってこの人が教えてくれたし、なんならこの人は自由に身体を乗っ取れる。
言い方は怖いけど、でも実際はそうだ。
自然に僕のできないことをチャチャっとやってくれるからむしろ助かる。
僕も怒りはしないし、でも…
それが原因で4歳の時に親に捨てられた。
この神社と真反対にあるこの町のもうひとつの神社の裏に。
けど、あそこは変な感じがしたな。
なんだかすごく懐かしくて、でもここにいちゃ駄目な感じ。
結局この人から早くここを出ようって言われてたくさん歩いた。
で、歩き疲れて倒れたところがこの清流神社の前だった。
あとで聞いたけど、清孝さんが
「いや、びっくりしましたよ、小さな子どもが行き倒れたて
保護者も見つからないようだったので、勝手に養子にしときました テヘッ!」
って、心が広いのかバカなのか…
(優樹、今日お前が朝の掃除当番だろー?)
そうだった、こう言う時に助かる。
「おはようございます、優樹」
「おはよう清孝パパ」
パパは相変わらず裏の読めない笑顔だなぁ、
って僕もか。
「ん?どうしましたか?」
「なんでもなーい」
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