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「おはようございます」
「おはよう琴葉お姉ちゃん」
お姉ちゃんは大好きだ、裏が全くないから。
でもちょっと元気ないみたい、また清流に何か言われたのか。
「はよー」
うわ来た、元凶。なぜか昔から清流は苦手だ。
僕自身は別に嫌いじゃないんだけど、
多分この人が清流を嫌っているのが僕に伝わってくるんだと思う。
「おはよう清流」
「おお」
そして、清流も多分僕のことが苦手だ。
いや、僕の中にいる人がかな。
でも何も言わない。
「優樹、学校途中まで一緒に行きましょう」
「うん、行ってきまーす」
「ねえ優樹、もうすぐ夏祭りが始まる季節ですね
楽しみです、一緒に行きましょうね」
「あー、ごめんお姉ちゃん
僕人混み苦手だから一緒に行けそうにないかな」
あ、お姉ちゃん分かりやすくシュンとしちゃった。
だって本当なんだもん。
昔、人混みの中に入ったら見たくないものがいっぱい視えすぎて気持ち悪くなっちゃった。
霊で酔うとかもう勘弁だ。
「お姉ちゃんは人混み大丈夫なの?
ほら、いっぱい視えるでしょ」
「ええ、そういう時は清流の気を纏わせお札を持って行くので」
わお、愛されてるなぁ。
僕そんなことしてもらったこと一度もないぞ。
まったく、今日だって僕が離れの庭を掃除してたら2人で朝からイチャイチャしてたし。
くっつかないのかな?
別に人間と神様でもいいと思うんだけど。
「ねえ」
「あ、ここまでですね、私はこっちですから
またあとで」
「うん」
聞き損ねちゃった。
まあいいや、後で清流に聞こう。
優樹は琴葉と別れ、小学校とは反対方向に歩いていく。
実は優樹は不登校なのだ。
お姉ちゃんは知らないだろうけど、清孝パパには連絡が入った。
担任の先生から学校に来させるよう言われたみたいだけど、清孝パパいわく
「うちの清孝が学校に行かないことで成績が落ちてるんですか?
…そうでしょう、万年1位でしょう
では、学校に行った際に何か問題を起こしましたか?
…ほお、常にみんなの中心、ならばなんの問題もありませんね、では」
らしい。
さすが、ブラックパパは強い。
というか、パパの配慮がありがたい。
正直、子供と一緒にいるのが辛い。
知識だけなら色んな分野の人の一生分以上はあるし、精神年齢もかなり上の自覚はある。
本当にこの人は何者なんだろうか。
まあ教えてくれないけど。
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