説得

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 フェレスの表情から、強ばりが消えていく。口の中で何度も、「そうか」とか「うん」とか言っている。やがて、黄色い瞳が上がった。 「町なら、今の赤子やこれから産まれる子供も安心して大きくなれるな」 「勿論だ」 「寒さに震えたり、命を落とす事も減るか?」 「多分な」 「…森に、戻ってきたい奴は戻ってきてもいいんだな?」 「お前達を脅かす奴の大本を、できるだけ早くこちらで討ち取る。それからになるが、約束する」  フェレスは立ち上がり、ファウストと向き合う。そして一つ、手を差し伸べた。 「セヴェルスを信じる。そして、あんたを信じる。明日、俺と一緒に来てくれると助かる」 「あぁ、勿論そのつもりだ」  伸べられた手を握り、両者はしっかりと握手を交わした。
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