説得

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 青年グループから喜びの声が上がる。中には涙ぐむ者もあった。 「犯人グループが解放したらしい。冬の森を歩くには邪魔だと。妊婦や赤子や、年齢の高い女性達が解放され、騎士団に保護された。温かな寝床と食事を食べて、今近くの町の砦に送られている」 「それって…」  少年達がまた瞳を険しくする。理由は言わなくても分かった。  森から一番近い砦は、彼らにとって最も辛い場所でもある。そこにつれて行かれたというのは、不安も怒りもあるのだろう。  ファウストが前に出ると、流石に少年達は怯んだ。だがファウストは彼らを前に、一つ頷いた。 「非礼がまったく無いとは言い切れない。だが、決して傷つける事はさせない。少しでもそのような事をした隊員がいれば、俺がその場で処罰する」 「そんな事出来るのかよ!」 「あぁ、できる。俺は騎兵府団長だ。ここに来る前にも叩き直してきたが、足りなければいくらでもそうする。それでも弱い者を見下したり、奇異の目で見るなら騎士団に必要な精神など持ち合わせていない。即刻、叩き出す」  この言葉には、流石に少年達も黙った。代わりに青年達がファウストへと歩み寄った。 「まだ、囚われている女達がいる」     
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