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「いつまでそうしているのです。ほら、しっかりなさい」
「あっ、あぁ…。悪い、セヴェルス。なんか…色々とついて行けなかった」
「良いよ、理解が得られぬ事も承知のうえじゃ」
「いや、そうじゃないが! なんか、変わったな…」
その小さな呟きに、周囲はドッと笑ったのだった。
改めて布団の側にファウストとランバート、ウェインが加わった。そして、起こった事を大まかに把握した。
「娘達の一部が開放されたのは予想外じゃが、結果としてよかった。砦では変わった事はなかったかえ?」
「その点は平気です。砦を出る前にファウスト様がきつく灸を据えてくれたので、『この人達に不快な思いをさせたら、ファウスト様に言いつける』って言ってきました」
ウェインが楽しそうにそういうのに、ファウストはどこか困った顔をする。だが咎める事もせずに頷くあたり、そのつもりなのだと分かった。
「女性達が監禁されていた場所は分かったかえ?」
「目隠しをして移動していたそうなので、確かな場所は分かりません。ですが、証言から場所は絞りました」
そう言うと、ウェインは手に持っていた巻紙を皆の前に広げた。
「これは!」
「おい、これどうしたんだよ!」
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