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予約してからの毎日は一瞬で過ぎた。今日は待ち望んだその日だ。街で一番大きな病院へ向かい、受付番号を渡した。
指定された部屋は板のようなもので3つに区切られており、その1つずつにタイムマシンが置いてあった。見た目は機械仕掛けの棺桶といった感じだ。カプセル型のベッドにも見える。
1つだけ蓋が開いているのが僕の予約したものだ。説明で聞いた通りまず服を脱いで隣のカゴへ入れた。過去に戻っている間も肉体は代謝を続けるからだ。タイムマシンに入り上向きに寝た。すぐ横のタッチパネルを押すと蓋が閉じる。次は頭と股間に装置を取り付けた。下の方の装置は先ほどと同じ生理的な理由だ。
タッチパネルで戻る日時を指定する。2018年の2月14日、朝の8時から夕方6時。
赤いスタートボタンを押すと、頭の装置が機械的な振動音を出した。
一瞬のち、僕は意識を失った。
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