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1969年。
Wikiで調べれば日本には意味深い年だ。
学生運動が盛んで、大学は学校を占拠したり校門を閉鎖したり。
政治に対する学生の反発が強かった。
今の学生には信じられないことだろう。
夜通し政治について語らったり、日本の未来を憂いたり。
遠い話だと思わないか?
異世界の日本のように感じないか?
後年、私はその残り火のある高校の校門をくぐった。
大学ではない、普通の公立高校だ。
さほど上位の学校では無かったが、学生の意識が高かった。
まさに入学の前年、校長室が占拠され、その発端で留年させられた先輩が同期。
彼は卒業の頃は職員室で教師とタバコを吸っていた。
(私は彼を呼び捨てにしていた、確かそう。今は自衛隊にいるとか)
社会科の授業はまるでディベートで、次の授業なんぞ無視された。
生徒会は一度解体し、校則から見直しとなり図らずも私もその一端を担った。
つまりあの高校の学生手帳の中には、今でも私の作った校則が入っている。
文化祭は討論と生徒会他もろもろの歴史が中心だった。
学生時代は輝いていた。
「どこに行く? 授業中だぞ」
「生徒会室に行きます。仕事があるので」
それで授業中何度も退席した。
修学旅行のスケジュール、予算、手配。
卒業式も同じく。
「校長の挨拶、何分にする? PTA会長は何分?」
全部自分たちで決めた。
面白かったのだよ。そんな混沌とした時代が。
何があるか分からない学校が。
激しい波に呑まれた激動の時を離れて尚、冷めやらぬ熱が残っていた。
そんな中で私が溺れるように聴いていた曲がこれだ。
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