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「確かに」 「そんなの、警察の捜査ですぐに足取りもつかめるだろ。もういいから、お前達さっさと休め。明日からも通常運転で頼むぞ」 田代が畳みかけてきたので、すごすごと2人は部屋へ向かった。 「初めてですか?こういうの」 エレベーターの中で颯が尋ねてきた。 「よく写真は撮られてるけど、空き巣はないなぁ。まぁ俺達みたいな国民的アイドルだと、こういうことあってもおかしくないよな」 いたずらっぽく笑ってみせるが、颯は浮かない顔だ。 「どうですかね。普通あんまりないと思いますけど」 「なんだ、こわいのか?」 「違いますよ。繰り返さないといいなって思ってるだけです」 「まあな。まっ、人気者だからしょうがないだろ。心配すんな」 わさわさと颯の頭を撫でる。 「引越しましょうよ、楓太さん」 「んー?そうだなぁ。そんなスケジュールがあればな」 実際問題、楓太や颯レベルのアイドルが引越しを行うには、かなりのスケジュールが必要になる。しかし、それ以前に、この空き巣が何の目的だったのか、楓太らを狙っての犯行だったのかそうでないのか、どのルートから住所が漏れたのかなどが明確にならなければ引越しも無駄なことだろう。少なくとも、楓太は内心そう思っていた。 「引越しに関しては、捜査結果を待ってからにしよう」
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