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「どうしたんですか」 颯が紙袋の中身を確認しながら、怪訝な顔をして言った。 「いや、変な人だったな。顔がおかしかった」 「まぁ…変なのは顔だけではなさそうですけどね」 「え?なんで?」 颯が紙袋の中身をテーブルにぶちまけた。その中身を見て、思わずげっ、と楓太は声をあげる。 そこには小坂ゆうみのグラビアがプリントされたクリアファイル、ポスター、そしてラッピングされたお菓子があった。 「これ何?何アピール?え、しかもこれ手作り?」 お菓子をつまみあげると、それを颯が奪った。 「なんだよ」 「こんな気色悪いもの触らないで下さいよ。どう見たって女アピールでしょ」 「女アピール?でもお2人にどうぞって言ってたぞ」 「楓太さん目当てでしょ。私、楓太さんになら抱かれてもいいアピール」 「お前顔に似合わず下品だなぁ。つかなんでそんなことわかんだよ。あれぇ、もしかして嫉妬かぁ?ほしいならやるぞ」 「うるっさいなぁ。いらねぇよ。もうこれは田代さんに事務所に持って帰ってもらいますから」 「勝手にどうぞ。俺は興味ありませんから」
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