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「さっきの件、土曜日にする?日曜日?」
「土曜日ですかね」
「おっけ」
「桜井さんお家どこでしたっけ、どこで飲みます?」
「俺んちで飲む?」
そういって反応を見るはずだったのに、
何故か恥ずかしくて顔が見れなくなった。
「またまた~」
「やっぱだめか~」
「ちなみに私、絶対桜井さんよりお酒強いので」
「強いので?」
「絶対先に潰しますよ」
向野はそういってごちそうさまでしたー!と手を合わせる。
きちんと、いただきます、ごちそうさま、が言える子なんだなあとぼんやり思う。
「店予約しときますー?」
「そういうの、男の仕事」
「でも後輩の仕事です」
「後輩として誘ってねえっつーの、
土曜日はちゃんと女、出してね」
俺はそういってコートを持って立ち上がる。
「……善処します」
「政治家か」
「善処しますけど、けど~」
「けど?」
「女としてじゃなく後輩として飲みたいです。」
「えー。業務として飲むの?」
「そういう意味ではなくて、なんというか」
「ま、いーや。土曜日ね。いこ。」
仕事に戻ってからも
土曜日どこ予約しようかな。食べ物の好き嫌いとかあるかな。
ずっとそればかり考えてしまった。
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