2924人が本棚に入れています
本棚に追加
/249ページ
「からかうのやめてください……」
向野は、ほんのり赤くなった頬を隠すように顔を手で覆う。
「本気だけど」
「いや、だって、」
「まだシラフのうちに言っとくけど、
俺、向野ちゃんと付き合いたいんだけど。」
「……っ、え、な、なんで」
「なんでって、普通に、好きだなって思ったから」
さらりと言うと、
向野は真っ赤になって押し黙ってしまった。
「考えといて」
「なんで私……?」
「可愛いから」
「いや、全然。いつからですか?
だって絡むようになったの、最近ですよね」
向野は不審そうな目でこっちを見る。
からかわれている、と疑っているらしい。
「絆創膏くれたとき、落ちた」
「そんな簡単な、」
「そんな簡単なこと、
出来ない人の方がいっぱいいるよ」
「……う、本気にしていいんですか」
「本気だっつってんじゃん」
「じゃ、考えさせていただきます……」
最初のコメントを投稿しよう!