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「からかうのやめてください……」 向野は、ほんのり赤くなった頬を隠すように顔を手で覆う。 「本気だけど」 「いや、だって、」 「まだシラフのうちに言っとくけど、 俺、向野ちゃんと付き合いたいんだけど。」 「……っ、え、な、なんで」 「なんでって、普通に、好きだなって思ったから」 さらりと言うと、 向野は真っ赤になって押し黙ってしまった。 「考えといて」 「なんで私……?」 「可愛いから」 「いや、全然。いつからですか? だって絡むようになったの、最近ですよね」 向野は不審そうな目でこっちを見る。 からかわれている、と疑っているらしい。 「絆創膏くれたとき、落ちた」 「そんな簡単な、」 「そんな簡単なこと、 出来ない人の方がいっぱいいるよ」 「……う、本気にしていいんですか」 「本気だっつってんじゃん」 「じゃ、考えさせていただきます……」
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