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スマホのアラームが終電を伝えてから、早1時間。 明日使う提案書作成がまだ終わらず、私の徹夜は確定していた。 終わらない。全然、終わらない。 焦りのせいか全然進まず、悪循環はつづく。 仕事が、好きだ。 それはいつも一貫した感情だ。 20代のうちはが、むしゃらに仕事をするべきだと思っているし、優先度も一番高くありたい。 ずっと必要とされていたい。 でも時々、本当に時々。 私の頑張りなんて誰もみてないんじゃないか、 一生気づかれないんじゃないかと、 どうしようもなく哀しくなるときがある。 私ばかりが損を食っているような、そんな感覚に陥るときがある。 いつか報われる、と何度も言い聞かせても。 そのいつかなんて一生来ないんじゃないかと。 少し泣きそうになったとき、がちゃり、とフロアのドアがあいた。 桜井さんが、やっぱりここにいたわ、と呟く。 「連絡よこさないから。 まだ仕事だろうなと思った。」 アカリ、と愛しそうに私の名前を呼び、 後ろから抱きついてきた。 「おまえ、何でまだいんの?」 桜井さんからはお酒とタバコの匂いがふんわりとした。 どうやら、飲み会の後、私の様子を見に来てくれたらしい。
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