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「そういえば、明日はどこに行く?」
「遊園地!」
光希が元気よく答える。
「はい、水族館!」
「よし、じゃあ2人とも行きたい理由をプレゼンしてください。いつも通り、お父さんに決定権はあります。」
俺はそういってサラダにドレッシングをかけた。
グラタンを美味しそうに食べながら、光希は、
いかに遊園地に行きたいかを熱弁する。
そのあと、アカリはペンギンが見たいと熱く語った。
「はい、じゃあ今週は光希さんの案で行きましょう。」
「やったー!」
「えー!2週連続光希の案じゃない!」
アカリが不服そうに唇を尖らせた。
俺は笑いながら、来週また提案して下さい、と言う。
悔しそうに眉をひそめるアカリは、本当に負けず嫌いだ。
その顔は、誰が見ても可愛くなくて、尖っているけど。
俺だけには、可愛く見える、
出会った日からずっと、そんな魔法にかかっている。
どれだけ素直じゃなくても、可愛くなくても、
ぽちゃん、とコーヒーの中に落ちれば。
俺だけの前では甘い、それで十分なのだ。
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