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*** アカリへ 思えば、アカリと初めて付き合ってから6年が経っていて、月日の速さを思い知っています。 酔っ払いの俺をあしらいながらも、俺の怪我に気づいて絆創膏をくれたアカリに落ちてから、6年。 アカリにプレゼントとかサプライズとか、 そんなこと全然できなかったけど、 今日はこの式自体が、プレゼントです。 新人だったアカリが課長になって、バリバリ仕事をしているのを見ると、俺を選ばなければ、もっともっと上にいけたんじゃないか、と何度も思いました。 それでもアカリは、俺と、お腹にいる子のために生きると決めてくれた。 一番に俺たち家族を優先してくれたこと、ごめんじゃなくて、ありがとうと言いたいです。 アカリがどんな気持ちで仕事をしてきたか、俺は誰より知っていて、後輩だけど、尊敬しているし、 アカリの仕事の仕方に、刺激を沢山貰いました。 でも、反面。身を粉にして働く姿に、どこか不安を覚えていて、いつか倒れるんじゃないかとヒヤヒヤしていました。 これは、先輩としてではなく、彼氏として、です。 だから本音を言えば、少しだけ、ほっとしています。
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