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本当にありがとうございました!
私の家に来た桜井さんに深々と頭を下げる。
「全然。大したことしてないし」
桜井さんはコートを脱ぎながら、大袈裟、と苦笑する。
私はコートを受け取ってハンガーに掛けてあげる。
「桜井さんが居なかったら、どうなっていたか……」
「じゃあご褒美頂戴」
桜井さんは私の腕をぐいっと引く。
俺を喜ばせてよ?と悪戯っぽく笑う。
私は、桜井さんにぎゅっと抱きついた。
「……え、それだけー」
「うーん、じゃあ……」
桜井さんの頭をポンポンと撫でてやる。
すると、俺は子供か!と爆笑されてしまった。
「キスは?」
桜井さんはそういって私の唇をそっと撫でる。
私は恥ずかしくて目を逸らした。
「軽いのじゃなくて、ちゃんとしたの、して」
「や、約束が違う……」
「いいじゃん、キス以外、我慢してるでしょ俺」
私は恐る恐る桜井さんに顔を近づける。
目、閉じてください、と言えば、桜井さんはニヤニヤしながら目を閉じた。
睫毛長いな、なんて思いながら、ゆっくり唇を重ねた。
離そうとしたその瞬間、後頭部をがしっと掴まれて、唇の中に舌がはいってくる。
「……ふ、ぁっ」
甘い声が漏れたと同時に、桜井さんは更に激しく私を求めてくる。
ようやく離されたときには、息が切れていた。
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