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私が息を切らすのを楽しそうに見る桜井さん。 私はムッとしながら、桜井さんのシャツを掴んだ。 「明日、親がこっち来るから、メシ食うんだけど、」 「……そうなんだ」 「会う?」 思いがけない言葉に私は固まってしまった。 彼氏の親に挨拶なんて、今までしたことが無かった。 「無理か。重いよな、1ヶ月で親とか」 「……おかあさん?」 「うん。母親と母親の彼氏」 「そっか」 「まあ、自慢出来ない母親なんだけどな」 どんな人?と聞けばアカリと真逆、と即答される。 「女である、ってことしか武器がないような人」 「綺麗な人?」 「まあまあ美人なんじゃない。客観的に見ると」 「へえ」 「半年後くらいまで、まだ付き合ってたら、会ってよ」 「……その前に愛想尽かされそう」 「うん、尽かしそう。つーかギブアップ寸前だよ、俺」 私は桜井さんに抱きつきながら、申し訳ない気持ちになる。
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