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* 社内が騒然となったのは言うまでなかった。 営業一のイケメン、営業一のチャラ男。 そして営業一仕事のできる、桜井さんが、 7つも年下の地味な私と、付き合い始めたのだから。 誰にも言わないで、と言ったのに、 どうしてもお酒の入った桜井さんは、 口が軽くて、ペラペラと喋ってしまう。 その結果、私たちの関係は 社内にあっという間に広がってしまった。 『今日帰り寄る』 ほぼ毎日のように届くLINE。 飲み会がない日は、 桜井さんはほとんどうちに来て、 私の作ったご飯をおいしいおいしいと食べるのだ。 「アカリの作る料理ってなんでこんな美味しいんだろうなぁ」 「普通のものしか作ってないけど」 「普通のものに飢えてるから、俺」 性的行為をしないのであれば、 という、わけのわからない条件を飲んだ桜井さんは、 本当に付き合って一ヶ月何もしなかった。 泊まっていくとき、明らかに固くなったそれが 私の体にあたっていることは何度もあったけど。 それでも手は出さないし、キスだけで眠る。 本当に守ってくれるなんて思わなかった。 ちょっとした感動を覚えながらも、 私に女としての魅力がないせいなのではないか、 他に女がいるのではないかと、不安な気持ちもあった。
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