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 いや、眼球の焦点移動に伴う錯覚ではない。確かにこれまでの科学ではそうとしか断じられてこなかったことなのだが、それは間違いなのだ。  まぁ、学術的に正しく言うならば、視界の中で焦点の当たらない場所というのは無意識性が強く、それだけに霊子を認識する霊的感覚が強く出るという特性がある。これは学術的には、数ある霊体活性原理のウチの一つで、無意識化の霊体感覚の活性と呼ばれる事象なのだが、それによって肉体に重なっている霊体の輪郭を、漠然とながら感じることが可能になったという、つまりそういう霊子理論の初歩的アクションなのだが、云々…。  いや、失礼。  小難しい話は、今後の講義で行うとして…。  つッ、まッ、りッ。  つま~りッ、それこそが、霊体ッ。  そして、霊子ッ。  繰り返そうッ。  霊子とは、反物質、つまり物質にあらざる存在にして、しかし物質よりも確かに存在する、世界の根源要素である。そしてそうした霊子によって構成された、生命の持つ物質ならざる体こそが、霊体なのであるッ。  どうだ。  理解していただけただろうか?  肉体と霊体、それは対になりながら、同価値の存在として、たしかに現存しているのだ。  おっと…。  霊体の説明で熱くなってしまったが、忘れてはならない。  三位一体の最後の一つ。  それは、魂である。     
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