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霊子力学入門  諸君。人は三位一体(トリニティ)、肉体と、霊体と、そして魂から出来ている。  肉体は言わずもがな、であろう。  では霊体とは何か?  それは我々生命の持つもう一つの体である。  霊体は肉体と同じようにして形作られており、肉体に重なるようにして、常に我々の殻としてここに存在しているのである。  信じられないだろうか?  それはそうだろう。目にも見えず、手にも触れられぬ霊体は、これまでオカルトの分野でしかなく、幻想としてしか語られてこなかったのだから、まぁ無理もない話である。  だがッ、しかぁ~し…。  それは反物質・霊子の発見により、霊体はここに確かな証明を持って顕現したのだ、と、私は断じようではないかッ。  例えば、掌を開いて顔の前に持ってきてもらいたい。そうだな、だいたいにして二十センチくらいのところだろうか。  そして、掌の向こう側の景色に焦点を合わせて頂こうか。  ・・・・・・・・・・・・。  どうだッ。  ぼやけた掌の輪郭のところに、不思議に漂う湯気のような存在が見えたであろう。  いや、見えないという言葉は受け付けない。  つまり、それこそが霊体なのだ。     
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