第1話 吸血鬼はトマト好き

2/9
前へ
/24ページ
次へ
§  マルは勉強ができない。  とくに数学。 「過程を一つもミスすることなく答えを導くなんて無理だよ! 素人にケーキ作れって言ってるようなものだよ」  休み時間、前の数学の授業で来週小テストをやるという発表を聞かされ反抗するマルだった。  よく分からない例えまで出てきた。 「え、ケーキ作る?」 「そう! ケーキって完成するまでは食べられないでしょ? つまり完成品にしか価値はないじゃない。数学も一緒で過程そのものは加点対象じゃなくて答えの成否で点が貰えるかどうか決まるでしょ?」 「うん、まぁ。だからってケーキに例えるのは分かりにくいよ?」 「むぅ。そんなことより勉強教えてよ!」 「うん、いいよ」 「じゃあ早速、今日家でやろうっ」  僕のツッコミをとくに気を害したということはなくバスケット選手も驚きの切り返しで話を纏めた。  ということで放課後、僕はマルの家に寄り道することにした。  そして、マルの家でちょっとした事件が起こるのたった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加