雨降るバス停

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

雨降るバス停

雨が降っている。 隣にはウサギ頭の男。 バスはまだ来ない。 立っていることに疲れ傘を畳みベンチに座る。 「これから私はどこへ行くの?」 「さあ?どこだろうね。」 「バスは本当に来るの?」 「さあ?いつ来るのだろうね。」 ウサギ頭は何も答えてくれない。 空を見上げるとまだ空は薄暗く雨は未だやまない。 どうしてここにいるのか。 これからどこへ行くのか。 私は何者なのか。 何もわからず不安になる。 「そのうちわかるよ。きっとわかるよ。」 ウサギ頭はそれを言ってしゃべらなくなった。 雨は未だやまない。でも少し空が明るくなってきた気がした。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!