ハッピーバレンタイン

35/38
前へ
/68ページ
次へ
あれ?俺、嫌じゃないなんて……そんなこと言った?? 自分の言動を思い出そうとしているうちに、いつの間にか体が永野さんに引き寄せられて、再び唇が塞がれた。 「えっ?」 驚いて俺が間抜けな声を上げると、湿っぽい柔らかなモノが口の中に侵入してきて、舌を絡めとられた。 初めての感覚に、ただ驚くことしかできなかった。 いつまで経ってもそれは俺の口から出ていく様子はない。 息苦しくて、俺は気が遠くなった。 そしてついに、俺は立っていられなくなった。 「……おっと」 グラリと倒れそうになる俺の体を、永野さんの腕ががっしりと支えた。 やっと解放された俺は、大きく息を吸った。 夜の冷たい空気が肺に満たされていく。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

277人が本棚に入れています
本棚に追加