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「くーっ、楽しみ! クリスマスが」
油断すると頬が緩む。プレゼントはクリスマスの朝まで隠してよう、でも、自室に置いてたら寝ぼけてしまって渡し忘れるかも。ベッドサイドの引き出しに入れて、そわそわそわそわそわそわしながら翔の帰宅を待っていたというのに
「お帰りな・・・・・・・・・・さぃ」
玄関から室内へ踏み込んだ翔の不穏な波動に、肌が粟立つ
「ちょっ、ストップ」
言って、足を止めるような男じゃない。血の気の引く圧力に押され後ろへ下がり、下がり、下がっていると長い腕を伸ばした翔が寝室のドアを開け
「あの、翔は何で、そんなに怒ってるんですか?」
じっと見てくる。無言。ガチで怖い。はい、すみません、入室させて頂きます。ドアを閉めた翔の左右対象フェイスが、目の前に迫る。形のいい鼻の先が俺の鼻に触れそう
「俺ぇ」
やだめっちゃ低い声
「すっげぇ可愛いと思う。お前の壊滅的な自覚の無さが」
ぜんっぜん、可愛いと思ってませんよね、その目つき
「ジジジジジカクっ、ですか?」
「そう。自覚できねぇならすり込ますしかねぇよな? 俺の気配を」
コクリ、喉がなる。お化け屋敷に迷い込んでしまったかのような、ひんやりとした空気を纏う翔の口角が上がった。怖い怖い怖い、彼の纏う空気と表情のアンバランスさが凶悪すぎて、俺のアソコがきゅっと縮んだ
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