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「うっ……!」
口元を押さえた雅人は辛うじて悲鳴を飲み込んだ。
「チョコレイト・デス」
繰り返し呟き、押し付けてきたチョコレイトには、握りしめられていた彼女の指跡がくっきりと残っている。
「わぁーーー!」
レジ袋ごと放り投げられたチョコレイトは、舞台袖で見守っていた中村がキャッチした。
「これは……シンプルかつ斬新なプレゼントの仕方で、インパクトがありましたね、隼さん!」
司会者のフォローに、チョコレイトをぶん投げたまま忍者のように片膝をついてしゃがんでいた雅人は顔を上げ、咄嗟に語った。
「今日は、直接ファンの方々と触れ合える場を設けていただきまして、ありがとうございます。皆様の応援を糧に今後も精進いたしますので、よろしくお願いいたします!」
「隼さん、素敵すぎる!」
「マサ、一生ついて行くからね~!」
片膝をついたまま頭を深々と下げた雅人は、やんやの喝采を浴び、イベントは無事終了した。
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