1週間前【2月7日】

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「よし、お前がそこまで覚悟して臨むなら、最善のフォローをする!」 「自分もっす!」  そう言いながら雅人が掲げた拳を中村が両手で握った時。  テッテテレ、テテッテテレ……  どこからともなく、テクノ系音楽のイントロが鳴り出した。  チョコレイト、ディスコ♪  チョコレイト、ディスコ♪  チョコレイト…… 「うっぎゃあぁぁぁーーー!」 「なーかーむーらー!」 「えー、これもNGっすか!?」  床に倒れ込んだ雅人を介抱しながら、スマホの着信音を慌てて変更する中村を定吉は睨み付けた。 「『抱かれたい男』に抱きつかれるなんて、定吉さん、レアっすね」 「中村っ、うまいこと言ってないで、レジ袋でも何でもいいから、袋持ってこい!」 「え、この状態で買い物っすか?」 「バカタレッ! 過呼吸対策だよ!!」  遠のく意識の中、古参マネージャー・定吉と新人付き人・中村との間抜けなやり取りを耳にしながら、雅人は息も絶え絶えになりながらつぶやいた。 「バレンタインなんて……大嫌いだ!!」
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