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バレンタインデー当日、2月14日。
握手会イベント終了後、事務所にて。
「イベントで受け取ったチョコレイトも、事務所に届いたチョコレイトも、会社で借りているトランクルームに当日便でブチ込んだからな。後はスタッフが美味しくいただくから、心配するな!」
「ありがとう。さすが、定吉。俺のマネージャーを10年勤めているだけあるな」
「定吉さん、さすが仕事が早いっすね~!」
「お前には殺されかけたけどな、中村」
バレンタインデーという、雅人にとっては生死に関わる恐怖のイベントが、無事終わった。
毎年のことではあるが、今年は『抱かれたい男ナンバーワン』の称号をキープしたことと、赤蔓克子が『克子の部屋』で雅人に惚れ込んだことを公言したお陰で、例年を遥かに凌ぐ数のチョコレイトが届いたらしい。
「3畳のトランクルームが天井一杯チョコレイトで埋め尽くされたらしいっすね。エグいっすね~」
毎度のごとく、中村が飄々とした表情で感心する。
当たり前だ。
俺を誰だと思っている。
芸能界のレジェンド・赤蔓克子も虜にした『抱かれたい男ナンバーワン』の隼雅人だぞ。
チョコレイトもバレンタインも大嫌いだが、人気のバロメーターならば命を削ってでも受け入れてやる。
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