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2月14日が終わる1時間前の23時。
「じゃあ、お疲れさまっす。雅人さん、今夜はぐっすり眠ってください!」
「お前に言われなくても眠れる」
付き人の中村の運転で自宅マンション前に帰り着くと、雅人は安堵のため息を漏らした。
「バレンタイン、乗り切ったぞ!」
「ア……」
小さくガッツポーズを決める背後で、微かな足音と低い声が聞こえる。
人の気配を感じ、ゆっくりと振り返った雅人は、危うく腰を抜かす勢いで仰け反った。
「き、君、イベントの時の……」
「ア……」
剥き出しチョコレイトを差し出した黒髪オカッパ女が、目の前にいた。
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