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それは、雅人がまだ幼稚園に通っていた頃に気がついた。
子どもながらに端正な顔立ちだった雅人は、当時からモテた。
バレンタインには、同級生の女の子だけでなく、そのお母さんや保育士からも「他のお友だちには内緒ね」と、余るほどのチョコレイトを貰って帰宅した。
嬉しさと照れ臭さで、両親や3歳年上の姉には内緒で、一人こっそりと貪り食べた。
その夜、雅人は顔中に発疹を浮かべ、高熱にうなされた。
大量のチョコレイトを一度に食べたことによる症状だったのか、定かではない。
以来、雅人は一口でもチョコレイトを口に入れると、動悸、息切れ、発熱、発疹が表れるという、不憫な体質になってしまった。
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