出逢い

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……ここ こ…… ここ…… 「どこ?」 ――わたしは今、寝ているんだろうか? 体がふわふわ宙に浮いている……。 どこかに運ばれているような感じがする……。 「うあああーーー、危ないっ!!」 という男の人の声で目が覚め、わたしは顔を上げて前を見た。 ズズズズ―ー!! 自転車に乗った男の人が、振り返ってわたしを見ていた。 あなたが乗った自転車が、わたしに向かって突っ込んできたんだ。 あっ、そうか……。わたしが急に現れちゃったんだよね! あなたはビックリした顔で振り返り、わたしを見ていた。 「あ、ごめんなさい!」 わたしは、とにかく謝った。 あなたは不思議そうな顔をしながら、 「怪我してない!?」 と、言った。 まともにぶつかったハズなんだから、驚くのは当然だよね。 「そうか……」 わたしはボヤっとした頭を振り、……あの瞬のことを……憶い出した……! ――あの事故のことを―― 「…………あ……」 「あの、わたし……本当に大丈夫ですよ、ほら!」 わたしは気を取り直して、そう答えた。 あなたは、わたしをじっくり見直した。 なんでも無いことに不思議そうな顔をして、……それでも少し安心した顔になった。 「ああぁ、よかった」 「……じゃ、 じゃあ、ぼく急ぐので」 あなたは軽く会釈をして、自転車を走らせた。 わたしはあなたの後ろ姿を見送った。 「ごめんなさい、驚かしてしまって……」 でも……、これからなんだよ…… ゆうと
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