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悠人の部屋
ああぁ……やっぱり、動揺するよね……。
「あ……あ、あのですね……じつは」
と言いかけた、その時――
カチャっと音がして、女の人が部屋のドアを開けた!
この女性は……?
あなたのお母さんねー!
「なんだぁ、誰もいないのね……?」
「大きな声で独り言なんかしてないで、さっさとゴハン食べちゃいなさいねー!」
そう言って、下へ降りて行った。
クスクス……。
わたし達のことは、あなたにしか見えてない……らしいね。
――あれれ?
あなたはドアに向かったまま、小刻みに震えている……。
……わたしのこと、そんなに怖いかな……?
やがて、ゆっくりと振り返ったあなたの顔は……、真っ青!
「あぁぁ、あの……わたし、雫と言います。よろしくお願いします、悠人さん!」
「しばらく、ご厄介になります!」 テヘ……。
「な、な、なんで俺の名前を……?」
「な、なんで、俺に取り憑くのー!?」
……ですって?
「ぷっ……、ぷはは~!」
そうか……″取り憑いてる″って思われた。
うーん、説明は難しい!……取り憑いたことにしておこう。
「お~ば~け~だ~ぞ~!」ヒヒヒヒ!
「ひっ! ひえええ~~~!!」
と、悠人はしゃがみこんでしまった。
なかなか情けない人ね……。
「雫!! 少しやりすぎだけども……」
「嫌われてしまったら、ダメだけども~!」
ヨミに叱られた……。
……こんな怖がりの人だったのね~?
ちょっと、がっかりかな……。
まぁ、いいけど……。
それより、わたしはとても疲れていて……、このまま悠人のベッドに潜り込んだ。
「ふぅ~…………」
「今日は疲れたな……」
「おふとん……、悠人の匂いがする……」
「嬉しいな…… 」
「……」
「おやすみなさい…」
「…」
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