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将来の夢
「あのさ、どうして……おれに取り憑くの?」
またその話……?
悠人は、毎日同じ質問をしてくる。
……結構めんどくさい人ね~。
「ねーねー!」
わたしは、悠人の質問を無視して切り出した。
「今日は授業もアルバイトもお休みなんでしょ!
どこかに出かけない?」
「――えっ!?…………雫と?」
「なによぉ、"えっ?"って……!」
「他に誰がいるのよ、まったく……!」
わたしは少しムッとした!
――悠人は、最初の時みたいに怖がることは無く、それどころか、たまに話もしてくれるようになっていた。
学校のこと、アルバイトのこと、そして最近気にしている女の子のこと……。これは余計だ!!
……そして、近い将来オートバイのロードレース選手権に出場すること。
サーキットを走れるバイクをこの夏には手に入れ、まずは国内ライセンスの取得を目指しているところ。
そのあと国内でのキャリアを積み、国際ライセンス昇格を目指すのが、あなたの夢。
「あ、そうだ! わたし浅草に行きたい!」
「――んん?」
「……なんで、……浅草?」
悠人はヘンな顔をした。
「花やしき……?って遊園地、あるんでしょ?」
「そこ、行きたいな?!」
「……花やしき……?」
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