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と、悠人は首をかしげた。
「……子供のころ、両親と何回か行ったっけな。ふ~ん、……懐かしいな~」
悠人の顔は少し和らいだ。
「……けど、雫くらいの女の子だったら、デニーズランドとかに行きたがるだろうに?」
と、わたしを見た。
「だって、あそこのローラーコースターが好きだったんでしょう!」
「それで速い乗り物が好きになっていって……、オートバイも好きになった……って?」
「……それに、あそこって今はもう……」
「――雫っ…!!」
ヨミがわたしの話を遮った!
「話してはいけないことを話すのは、ダメだけども!」
「ルールに従わないと、戻れなくなるけども!……ゲロっ!」
「――あっ、そうだったね! ゴメン!」
わたしは慌てて口を噤んだ。
「え? ……なにが、そうだったの?」
悠人にヨミは見えてないし、声も聞こえてないのだ。
「あ、あああ……。レトロな遊園地って……、な、なんだかいいな~って……!」
「東京デニーズランドは何度も行ったし……。あはははは~」
わたしは、なんとか誤魔化した……つもり。
「そっか、わかった」
「おれも久しぶりに行きたいよ!」
悠人が嬉しそうに笑った。
やったー!
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