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作戦会議
「作戦会議を始める!」
みんなを集め、真剣な面持ちでそう話したのは、このグループのリーダーである兄さん。
自分を中心に輪になる仲間を見回し、声を潜めて続けた。
「毎年、豆まきをする家は減っている。なので、よく狙って行かなければ大変な事になる」
「大変なことってなんですか!」
元気よく質問したのは、今年このグループに入った新人。
穢れを知らず、何事にも一直線の男。
「体力だけ使って、不審者並みの扱いをされるという事だ」
「……不審者……」
ぶるぶる震え出す新人の男。
前にいたグループでは、それはもう、やりたい放題の奴ばかりで、いざ豆まきの時期が来たと張り切ると、罠にかかって悲しい結果になるやつばかりだったらしい。
だから、不審者扱いは、彼にとって “死” を意味するのだそう。
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