チャプター4・純情ACTION!!

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「もうオシマイ? 少し期待したけど、所詮は魔術師の卵ってことね」 「おまえ! よくもボスを!」  ビターを嗤うマジカもどきに、金髪のロン毛が報復の弾丸を見舞う。  カカカカカカカカッ!!  だがこれも、マジカもどきは新たに張った【魔障壁(シールド)】で易々と凌いだ。 「雑魚に台詞なんて要らないんだけど?」  ギロリ。  マジカもどきは蛆虫を見遣るような目で金髪のロン毛を睨み、虚空に光の玉をもう一つ出現させた。  ――まずい! また死傷者が出る! 「うおおおおおお!!」  俺は咄嗟に振り返り、金髪のロン毛にタックルを喰らわせ、 「うッ!?」  そのまま勢いに任せて俺もろとも倒れ込み、間一髪でマジカもどきの攻撃を躱した。  それから俺は金髪のロン毛の首に腕を押し付け、 「死にたくなかったらここに寝てろ! 後で安全に逮捕してやる!」  と吐き捨て、身を起こした。 「――ジャンベリクの奴、例の劇薬を使ったのね。少しヤバそうだけど、あいつ一人だけなら〝適度に追い込む〟の範疇ね」  人がピンチに陥ることに何の抵抗も無いのか、何を企んでいるのが全くわからない微笑を浮かべて、マジカもどきがつぶやくのを、【スクリーン・ヴィジョン】の左耳が微かに収音した。  ここへ来て、遠くの方から複数のサイレンが聴こえ始める。  ――待ちわびた応援だ!  マジカもどきは俺にその破顔を向け、 「ギャラリーが増えそうだし、わたしは失礼するわ。今度はあなたが死ぬ時に会いましょう」  踵を返し、これも魔法なのか、人間離れしたジャンプ力でコンテナの上に飛び乗った。 「ま、待て!」  俺はそう叫び、走り出そうとした。 「栄治! これを使って!」  そこへ遠くから鈴の声が届き、振り向いたところに、赤く煌く何かがブーメランのように回転しつつ飛んで来た。
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