チャプター4・純情ACTION!!

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 鈴の車の速いこと。  発進してからものの一分少々で、中央通りから左折し、旧道の事件現場に到着した。  急いで車から降り、俺と鈴が先行し、後からメルとリリィが続く。  センターラインの無い、トラック一台がどうにか通れる程度の小道は街灯が少なく、居酒屋【どんぱち】の周囲は特に暗い。 「俺は隣の煙草屋だ! 聞いてくれ! 怪しい奴らが大きな音で何かやってた! 本当だ! 俺が注意したら撃って来やがったんだよ!」 「話はあとで聞くから、一旦離れてちょうだい!」  瓦礫が散乱する店の前には、既に億世橋署のパトカーが一台止まっており、近隣の店の店主や住人たちがそれらを取り囲むように集まっていたので、鈴が手帳を見せつつ追い払う。 「あんた、怪我は無いか?」  俺は煙草屋のおっさんの肩を掴み、無事を確認する。 「なんとかな。マジで死ぬかと思ったぜ。とんでもねぇ奴らだ!」 「大変だったな。多分、あんたは重要参考人ってことで、署まで同行するように頼まれると思うから、協力してやってくれないか? 話もその時に詳しく聞かせてくれ」  と、俺はおっさんにそうお願いした。 「現場から離れて! 何も触らないで! 写真も動画も撮っちゃだめ!」  メルとリリィも、周辺の整備に声を張り上げる。 「――センちゃん」 「――おお、幕明」  出入り口の横で住人たちに帰るよう呼び掛けていた中年の同僚が、暗い顔を鈴に向けた。モブキャラだから詳しくは知らないけど、センちゃんって呼び名みたいだな。 「通報があって来たの?」 「ああ。ついさっき着いたばかりだ。今相棒がパトカーで応援を要請してる。バン爺が行方不明になっちまったよ」  恐らく、センちゃんもここの常連なんだろう。バン爺が居ないことに、かなり動揺している。 「彼ならきっと大丈夫よ」
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