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「負けたんだからお前が鬼な。」
そんな馬鹿な…。
この明治加賀麻がアウェイでなくホームで負けるとは…!
「確かに、高身長が活きるバスケならお前が圧倒的に有利だが
低い棚の整理なら俺の方に分が有るって訳だ。皮肉にもな。
それに、拭き掃除なら毎日家でやらされてるしな。クソがっ」
まさか、身長が仇になろうとは!
自己タイムを計り自信を付けていたが、一文字微太亜のポテンシャル迄は頭の外だったぜ!
敗北を突き付けられた俺は勝者の権限で鬼役を命ぜられたのだった。
「え?ちょっと待て、節分なのは分かるけど鬼の役って何するんだっけ?」
「はっ、服を脱いで四つん這いになるに決まってんだろ馬鹿が!!」
「何い!?」
これが鬼か!
「さあ、今から豆をまくぞクソがぁ。」
「そ、それはカカオ豆!俺の大好物やんけ!」
「そうだ、お前の好物だ!
欲しけりゃ恵方を向いて良い声で鳴きな!ほれ、どうした!?」
「お、鬼は外!福は内!」
「ほれほれ、声が小さいぞ!そんなんじゃ福の神様は来ないぞクソがぁ。ハアハア」
「お、鬼は外!!!ふ、福は内!!!」
「もっとだ!さあもっと良い声で鳴きやがれ!」
微太亜は過熱している、半裸になった俺の上半身にカカオ豆を投げつける。
「い、痛い!」
「声が止まってるぞ!?
ほら、歌え!!」
「おっ、鬼は外ー福は内ー♪」
鬼はお前だ!
完
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