これはきっと恋だ

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これはきっと恋だ

季節は冬。雪が降ることの多いここ数日。私は今、恋をしている。 恋をするのは18年生きてきてこれが初めてだ。相手は色白で、暖かくて、私を柔らかく包み込んでくれる人。 初めは、この気持ちがなんなのかなんなのか分からなかったが、結構前に親友の瑚河梓が「その相手とずっと一緒にいたい。離れたくないって思ったら恋らしいわよ」と言っていたから、これは恋なんだろう。まあ、その時その話題になったのはクラスで恋バナという物が流行っていたからであって、梓も私も恋とは無縁だったんだけど。彼女がクラスメイトから聞いたことを私に教えてくれたのだ。 「じゃあ、私は梓に恋してる!だって梓とずっと一緒にいたいし、離れたくないもん!!」 あの時私がそう言うと、梓はちょっと戸惑ったように言った。 「そ、そういうのはちょっと違うらしいわよ!だいたいは相手は異性らしいし、友達を相手にするのとは違う気持ちが芽生えるらしいわ。例えば、その人と顔を合わせるとドキドキするとか……」 「……?よくわかんない……。でも、確かに梓を見てもドキドキしないや」 「でしょ? クラスの子もその時が来たら分かるって言ってたから、きっとそのうちわかるわよ」 あの時はここで会話が終わった。 梓、私、恋が分かったよ! 今恋してるんだよ!相手を見るだけでドキドキしてきて、凄く嬉しい気持ちになる。ずっと一緒にいて、離れたくないって思う。においを嗅ぐだけでとても心が安らぐ。 まだ朝早いけど、今すぐにでもこの気持ちを教えてあげたい。メッセージを送ろうと、私はおもむろに枕元のスマホに手を伸ばす……。 「こら結希!いい加減起きて!!」
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