雪の妖精

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だけど、夜空にある本物の星を、とってくるなんて どう考えてもムリだ それに今日は、雲っているし お月さまさえ出ていない 私は仕方なく、星のかわりになる物はないか 部屋の 机の引き出しのなかや 箱のなかを、探しまわってみた とにかく、お星さまのようにキラキラしてるもの みつけたのは、お母さんから 誕生日にもらった、ペンダントだった このペンダントには お月さまの 形をした土台に、いろんな 青、ピンク、緑、銀色などの ストーンがついていて とてもキラキラしている 「本物の、お星さまじゃないとダメなの? 私には、本物のお星さまを とってくるのは ムリだけど、このペンダントならあげられる このペンダントを、お星さまのかわりにしてよ」 妖精のような女の子は、 「いいの?」 と、一言いってから、かなり 悩んだ顔をしたあと ペンダントを、受け取ってくれた お母さんは、毎年プレゼントをくれるから このペンダントがなくなっても 私はまた、プレゼントをもらえるから いいんだ 「ありがとう、ステキなペンダント これがあれば、お星さまがなくても このペンダントの光を もとに、また、いろんなところへ行ける」 妖精の女の子は、道の街灯と ペンダントの灯りをたよりに、 フワリと宙にういて、夜空をとんでいった それから、毎年 誕生日と、雪が、1ばん多い日には 小さな花束が ドアの外に、おかれていた あの妖精の女の子が、来てくれてるんだろうか
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