二話 ボーイミーツパラディン

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本当に綺麗な少女だった。 金髪ロングにエーゲ海のようなコバルトブルーの瞳、凛とした顔立ち。 俺が見とれているとその少女は、 「ちょっと、本当に大丈夫?」 と言ってきた。 ああ、心配そうにこっちを見ている顔も綺麗だ。 じゃなくて。 「今俺のお腹蹴ったよね?! なんで蹴ったの?!」 まだちょっとジンジンするし! 「だって、ベチョベチョした手を伸ばしてきたんだもん」 その少女は少し申し訳なさそうに言ってきた。 そういう姿も可愛いなぁチクショウ。 「それついては申し訳なかったけど、せめてお腹は蹴らないで欲しかったかな」 「うぅ、それについてはごめんなさい」 そう謝られたら誰でも許してしまうだろう。 かくいう俺もその一人だ。 「まぁ、全然気にしてないし、もう許すけど」 「本当に?!」 「お、おう」 「ありがとう!」 そう言って少女は微笑んだ。 笑うとよりいっそう可愛さが際立つ。 「そういえば自己紹介が遅れたわね」 「私はアリス。アリス・バレンタイン。ジョブはパラディンをやってるわ。あなたは?」 おお! ジョブって言ってたな。いよいよラノベみたいな展開になってきたな。 「俺は結城海斗。えーと、ジョブは……」 どう言ったものだろうか。 まず、ジョブというものは全ての人間が持っているものなのか? だとしたら適当に言うわけにもいかないし、どうしよう。
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