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本当に綺麗な少女だった。
金髪ロングにエーゲ海のようなコバルトブルーの瞳、凛とした顔立ち。
俺が見とれているとその少女は、
「ちょっと、本当に大丈夫?」
と言ってきた。
ああ、心配そうにこっちを見ている顔も綺麗だ。
じゃなくて。
「今俺のお腹蹴ったよね?! なんで蹴ったの?!」
まだちょっとジンジンするし!
「だって、ベチョベチョした手を伸ばしてきたんだもん」
その少女は少し申し訳なさそうに言ってきた。
そういう姿も可愛いなぁチクショウ。
「それついては申し訳なかったけど、せめてお腹は蹴らないで欲しかったかな」
「うぅ、それについてはごめんなさい」
そう謝られたら誰でも許してしまうだろう。
かくいう俺もその一人だ。
「まぁ、全然気にしてないし、もう許すけど」
「本当に?!」
「お、おう」
「ありがとう!」
そう言って少女は微笑んだ。
笑うとよりいっそう可愛さが際立つ。
「そういえば自己紹介が遅れたわね」
「私はアリス。アリス・バレンタイン。ジョブはパラディンをやってるわ。あなたは?」
おお! ジョブって言ってたな。いよいよラノベみたいな展開になってきたな。
「俺は結城海斗。えーと、ジョブは……」
どう言ったものだろうか。
まず、ジョブというものは全ての人間が持っているものなのか?
だとしたら適当に言うわけにもいかないし、どうしよう。
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