二話 ボーイミーツパラディン

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するとそこには、 スライムがいた。 百人が見たら全員がスライムと言いそうな形をしている。 不定型な形と若干緑がかった透明なモンスター。 いかにもファンタジーという感じがして、 少しワクワクしてくる。 でも、スライムである以上おそらくは敵。 早急に対処しなければやられてしまう。 スライムの表情(というか顔自体無いが)が分からないため、こちらを敵として認識してるか判断出来ないが、逃げるか倒すかしたほうがいいだろう。 辺りを見渡す限り武器になりそうな物は見当たらない。となると今は逃げるのが得策だろう。 いや待てよ、異世界転移系のラノベだとしたら、ここで主人公が何らかの力に目覚めて、敵を倒すみたいな展開になるはず。 つまり、俺もこの場面で何らかの力に目覚めるのではないか? フフッ だとしたら話は早い。 今すぐこのスライムを倒すだけだ。 さっきも確認したが、武器になりそうな物は無いから、魔法でも出せるんじゃないかな。 ではさっそく、 「はぁー!」 と叫び、俺は手のひらをスライムの前に突き出した。 「…………」 おや? 特に何も起きない。 俺の予想ではスライムが木っ端微塵になるはずだったのに。 するとスライムが、 ベチョッ ベチョッ グバァ! 俺が手のひらを突き出したせいで、おそらく敵と認識したのだろう。 こちらに襲いかかってきた。 「やばっ!」 一瞬焦ったが俺は冷静になった。 魔法系の力が使えないなら、きっと物理攻撃がとんでもなく強いはず。 覚悟しろよスライム! そう思い、俺は襲いかかってくるスライムに全力のパンチをかました。
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