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グニョ ヌルン
なんと俺の拳がスライムをすり抜けた。
「スライム、物理攻撃効かないのかよぉー!」
素で突っ込んでしまった。
うわぁ、手がベチョベチョだ。
でも、そんなことよりどうする?
俺にはなんの抵抗手段もないことが判明した。
そして、スライムは次の攻撃を繰り出そうとしている。
ならば、選択肢はただ一つ。
「誰か助けてぇー!」
そう、逃げることだ。
しょうがないだろ! どうやって戦うんだよ!
確実に喰われちゃうよあんなの。
ベチョッ ベチョッ
まだ追ってきてる。
どうしよう、誰かいないのか?
どれくらい走ったか分からないが、遠くの方に黒い人影が見えた。
あれは、人? しかも、よくわからないけど剣みたいな物も腰にさしてるぞ。
よし、あの人に助けて貰おう。
「おーい! そこの人! 助けてくれー!」
力の限り叫ぶと、あちらはこっちを認識した。
もう大丈夫だろうと思い、その人影に近寄った瞬間。
ドンッ!!
「うぐっ?!」
お腹に強い衝撃を受けた。
え?! 俺、蹴られた?! なんで?!
そして地面に尻もちをついたとき、俺の頭上をさっきのスライムが通過していった。
ザシュッ ベチャッ
あれ? スライムが消えた。
うわっ、俺の身体がベチャベチャになってる。
すると、前の方から声がした。
「あなた、大丈夫?」
顔を上げて前を向くと、綺麗な鎧に身をまとった息をのむほどの美少女がいた。
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