サードの才能

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大きな金の音が鳴り響く町で多くの若者が坂道を登る。 友人と話す者、親と歩く者、パンを食べながら歩く者とさまざまだ。 そんな中一人の青年はコインをトスしては掴みを繰り返している。 「裏だったら家に帰って菓子たべて二度寝しよーかなー」 やる気のない目でどんどん遠ざかる下町を見ながら呟く。 「入学早々やるきないのな」 不意に背後から声を掛けられる。 「正確にはこれから入学だけどね、あと子供は来ちゃいけません」 すぐに隣に並んだ子供に指摘をする。 「たしかにそうかって子供じゃねーし、同じ入学生だし」 身長150ぐらいで童顔な青年は腕を上下に振りながら反論する。 その行動が余計に子供っぽくしていた。 話をしながらも器用にコインを操る青年はふとその行動を止める。 「ここが国一番の学院かぁ」 大きな校門の前で足を止めて呟く。 ここは魔法技機帝国一の学院、神城学院。 選ばれたものしか入学できない「はず」の学院である。 そこで青年は一つの才能のみでちょっと贅沢な学院生活を目指すこととなる。
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