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さては、咄嗟に思い付いたんだな。
それから、形ばかりの延長の確認を繰り返しながら。ちひろが、席に戻らないまま時間が過ぎていく。
「お客さんって、何者なんですか?」
着いた娘からは、必ずその質問をされ毎回違う答えを返してみた。どうも、待機席ではオレの正体が話題になってるようだ。
やがて、閉店時間が近付いてきた。
次々と、周りのお客さんは帰っていく中で、オレだけが取り残されていく。さて、これからどうなるか。
そこに今度は、スーツ姿の男女が現れオレの席に着いた。いつか店に来た、【ナイトスカイグループ】の社員の面々だ。
「今回は、本当にお世話になりました」
「いや、オレは別に何もしてないよ」
「いえ、神田さまのお口添えが無ければ、このイベントは開催すら出来ませんでした。更には、そのトラブルにより、わが社は大打撃を受けるところでした」
「そんな、大袈裟な」
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