後編

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   でも、それを聞いてるマイちゃんは、何か吹っ切れないものがあるみたい。 「だからって、私は……」  どうも様子を見ていると、問題はマイちゃんの気持ちみたい。  健琉くんの気持ちを知る為に、キャバで働き始めた。だけどそのキャバ勤め自体が、結婚へ踏み切れない理由になってるみたい。  それは、健琉くんのご両親の気持ちを気にしての事。  昔に比べて、市民権を得たとは言っても。「水商売の女」ってだけで、良い顔をしない人はいる。  それが結婚となると余計に。  マイちゃんも、そんな話しをお客さんから聞いて勝手に不安になってるみたい。 「だから私は、健琉に相応しくないんです」 「マイちゃん、だから考え過ぎだって」  ちひろも直くんも、マイちゃんの気持ちを解きほぐそうとする。だけど、頑固ってか人の話しを聞かないってか。  二人の言葉を、この娘は受け入れようとしない。
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