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でも、それを聞いてるマイちゃんは、何か吹っ切れないものがあるみたい。
「だからって、私は……」
どうも様子を見ていると、問題はマイちゃんの気持ちみたい。
健琉くんの気持ちを知る為に、キャバで働き始めた。だけどそのキャバ勤め自体が、結婚へ踏み切れない理由になってるみたい。
それは、健琉くんのご両親の気持ちを気にしての事。
昔に比べて、市民権を得たとは言っても。「水商売の女」ってだけで、良い顔をしない人はいる。
それが結婚となると余計に。
マイちゃんも、そんな話しをお客さんから聞いて勝手に不安になってるみたい。
「だから私は、健琉に相応しくないんです」
「マイちゃん、だから考え過ぎだって」
ちひろも直くんも、マイちゃんの気持ちを解きほぐそうとする。だけど、頑固ってか人の話しを聞かないってか。
二人の言葉を、この娘は受け入れようとしない。
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