後編

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  「そうかぁ、そうだったんだよな」  そんな事を、呟き出した。  渉くんが、何を考えているのか何と無く分かる。  告白じゃなくてプロポーズなら、ウチが受け入れるんじゃないかって。どんな思考回路で、どんな方程式を当てはめたら、そんな答えに辿り着くのか。  それは分からないけど、渉くんだったらそう考えてる筈。だって、これまでの付き合いで感じ取った。  渉くんが、立ち上がる。 「ルミちゃん。俺と、けっ、ムグっ……」  縁ちゃん、ナイスっ。  渉くんと縁ちゃんの、鉄板とも言えるパターン。余計な事や場違いな発言をしそうな渉くんに、背後から回り込んで口を押さえ込んで止めてしまう。  今回は、少しタイミングが遅かったけど、それでも言わさないでくれただけで十分。  そして、ふて腐れる渉くん。  どうしてコイツは、いつも空気を読まないんだろう。そして、直くんに絡み出したりする。
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