後編

3/45
44人が本棚に入れています
本棚に追加
/704ページ
  「何があったにせよ、気持ちが沈んでランキングが下がりそうなら。それが上がれば、少しは気持ちが晴れるんじゃない」 「出来る事って、そのくらいしか無いかな……」  ちひろも、納得してくれた。  出勤の時間になり、お会計して【クラウン】を出る時。ちひろが、小さくため息をついた。それは、マイちゃんの事じゃない気がする。 「ちひろ。アンタも、何かあったの?」 「えっ、別に……」  あったんだね。  マイちゃんが泣く理由が健琉くんなら、ちひろがため息をつく理由は一つしか無い。直くんと、何かあったの?  何かあったとすれば、直くんのアレが治った事が関係してるんじゃないか。  もしかしたら、ちひろも気付いたのかもしれない。直くんが、他の女と関係が持てるようになった事。だったら、ウチに話してくれればいいのに。  ちひろとマイちゃんが、似ていると思った事が何度かあった。そして、今もそう感じてしまう。
/704ページ

最初のコメントを投稿しよう!