夜空に煌めく夜蝶たち

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   店への階段の下で微笑む、あの時のちひろが見えるような気がした。余りにも、センチメンタルに浸りきってて。自分でも、どうかしてると思いながら店の前に到着した。  もう、入店待ちのお客さんはいない。そして、階段を上がる。  一段一段、何かを噛み締めながら上がり。昂る気持ちを抑えながら入り口を通った。 「いらっしゃいませ」 「いらっしゃいませぇ」  若干むさ苦しいボーイさんたちの声と。華やかな女の子たちの声に出迎えられ、目線を前に向ける。  そこには、宮ノ内さんが立っていた。 「いらっしゃいませ、神田さま。ご指名は、ちひろさんでよろしいですね」 「えぇ、お願いします」  あの頃と、同じだ。それが、身震いする程に嬉しかった。  フロアには、女の子とお客さんが溢れている。  その中を案内され、奥へ奥へと進んでいく。  途中、アキちゃんとすれ違いサヤちゃんの席を通り過ぎ。
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